🏥 急性期リハ ロードマップ

脳卒中 急性期・新人PT向け|予後予測(NIHSS・TWIST・PREP2)+リスク管理・離床+回復期への申し送り

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① 基本情報

神経学的重症度・全身状態

NIHSS採点は別アプリ(NIHSS採点アプリ)で。ここには合計点を入力してください。

② 重症度と全体像(NIHSS)

①でNIHSS合計を入力すると重症度と転帰の目安を表示します。

重症度区分: 0=なし/1-4=軽症/5-15=中等症/16-20=中等〜重症/21-42=重症。ベースラインNIHSSは3か月後の機能的転帰(mRS)・死亡の独立した予測因子(例: Shrestha 2015, de Berker 2021 ほか)。あくまで集団の傾向で、個々の回復は年齢・合併症・リハ強度・介護力で変わります。

🚶 歩行自立の予測(TWIST)

Smith, Barber, Stinear 2017(Neurorehabil Neural Repair・予測的中95%)。発症約1週の①体幹コントロールテスト(TCT)と②麻痺側 股関節伸展筋力(MRC)で、独歩自立(FAC≥4相当)に至るか・いつかを判定します。

① 体幹コントロールテスト(TCT)

各項目 0=介助なしでは不可/12=可能だが異常な方法・要介助/補助/25=正常。合計0〜100点。

TCT 合計(0-100)0

② 麻痺側 股関節伸展筋力(MRC 0-5)

股関節伸展0=収縮なし / 3=重力に抗して全可動域 / 5=正常
判定ロジック: TCT>40 → 6週以内に独歩自立/TCT≤40 かつ 股関節伸展MRC≥3 → 12週までに独歩自立/TCT≤40 かつ MRC<3 → 12週時点で独歩自立に至らない可能性が高い。TMS・MRIは予測に寄与せず、ベッドサイド指標のみで成立。※発症1週時点の評価を前提とした指標です。

✋ 上肢機能の予測(PREP2 / SAFE)

Stinear 2017(外部検証で的中78% Millot 2024)。発症約3日のSAFEスコア(肩外転+手指伸展のMRC和)と年齢を起点に、3か月後の上肢機能を4段階で予測します。SAFE<5ではTMS(MEP)が必要です。

肩関節外転(SA)MRC 0-5
手指伸展(FE)MRC 0-5
SAFE スコア(0-10)0
判定: SAFE≥5 → 年齢<80で「Excellent」、80以上で「Good」/SAFE<5 → MEP陽性で「Good」、MEP陰性かつNIHSS<7で「Limited」、NIHSS≥7で「Poor」。失語・半側空間無視・認知機能低下(MoCA<24)があると的中率が低下(93%→69%, Millot 2024)。TMS未実施時は暫定表示(発症7-14日でSAFE再評価を推奨)。

🏠 退院先・転帰の見通し(総合)

年齢・病前mRS・NIHSSを入力すると、退院先の見通しの目安を表示します。

退院先の最強の予測因子は病前mRS、次いでNIHSS・年齢(de Berker 2021, Tarvonen-Schröder 2023 ほか)。ここでの表示は方向性の目安で、実際の転帰は介護力・住環境・回復速度・多職種の判断で決まります。詳細なFIM利得からの期間逆算・在宅ゴール設計は回復期ロードマップで行ってください。

③ 離床開始前チェック

離床・運動負荷の前に確認。ひとつでも該当しない/不明があれば医師に確認を。安静度・血圧目標は必ず主治医の指示と施設基準を優先

⛔ 運動中止・要注意の基準(目安)

土肥・アンダーソンの中止基準を基にした一般的な目安+脳卒中特有の注意点。数値は施設・病態で異なります。

ただちに中止/再開見合わせ

  • 意識レベルの低下、あくび・冷汗・強い倦怠感
  • 神経症状の増悪(麻痺の進行・構音障害・瞳孔不同・激しい頭痛・嘔吐)
  • 収縮期血圧 >200 または <90 mmHg、拡張期 >120 mmHg(施設基準優先)
  • 安静時心拍 >120/分、運動で40/分以上増加、危険な不整脈の出現
  • SpO₂ <90%、強い息切れ・胸痛
  • 発熱38℃以上、急な血糖異常(低血糖症状など)

脳卒中の型で特に注意

  • 脳梗塞:進行性・BAD型は数日で増悪しうる。tPA/血栓回収後24時間は厳格な血圧・出血監視。主幹動脈狭窄では頭位・脱水で灌流依存の悪化に注意。
  • 脳出血:発症急性期は血腫増大・再出血のリスク。血圧管理(収縮期の上限指示)を厳守し、離床は段階的に。
  • くも膜下出血脳血管攣縮期(発症4〜14日頃)は虚血リスクが高く、離床の可否・強度は必ず主治医指示に従う。
⚠️ 超早期(発症24時間以内)の高強度・高頻度な離床はかえって転帰を悪化させうる(AVERT試験)。「早期離床は行うが、超早期・過負荷は避け、短時間・頻回・段階的に」を原則に。
参考: 土肥・アンダーソンの運動中止基準、脳卒中治療ガイドライン、AVERT trial (Lancet 2015)。実際の適用は主治医の指示・施設プロトコルを最優先してください。

④ 問題点整理(ICF)

タップで下の欄に追記されます。急性期は「機能障害」と「廃用・合併症リスク」を早期に把握するのが要点。

💪 心身機能・身体構造

🚶 活動(現在のADL・基本動作)

⚠️ 廃用・合併症リスク

🏘️ 参加・環境・個人因子

⑤ 急性期リハの介入プロセス(時期別)

紫の項目は②予後予測の結果から自動提案されたヒントです。自由記載欄に自分の言葉でプランを書きましょう。安静度は主治医指示を優先。

回復期病棟・在宅への移行時期、装具作製、家屋評価などは施設の運用と全身状態に合わせて調整してください。

⑥ 回復期・転院先への申し送り

予後予測と急性期の経過を、次の担当(回復期PT・ケアマネ)へ引き継ぐサマリーを自動生成します。編集も可能です。

➡️ 回復期に移ったら、FIM利得からの在棟期間逆算・在宅ゴール設計・実績指数42のシミュレーションは「退院ロードマップ(回復期)」アプリへ引き継いでください。

※本ツールは学習・思考整理の補助です。予後予測は集団統計に基づく参考値であり、実際のゴール設定・治療方針・安静度は多職種カンファレンスと主治医の指示に従ってください。